【書評】家族を亡くしたあなたに|死別の悲しみを癒やすアドバイスブック

あなたは家族や友人など、大切な人を亡くした経験がありますか?

あると答えた方。
悲しみに押しつぶされそうな気持ちではありませんか?

悲しみで立ち上がる気すら起きない、まるで真っ暗闇の中にいるような気持ちではありませんか?

私は半年前(2021年7月)に夫を亡くしました。
亡くしてすぐの頃は、役所や銀行の手続きなどで忙しくしていました。

それが一段落した頃、身体にも頭にも鉛が入っているように感じ、動けなくなったのです。

真っ暗闇の中で迷子になっているようで、どちらに進んでいいかも分からず、立ち上がる気にもなりませんでした。

このままではダメだ、でもどうしたらいいか分からない。
どうしたら悲しみが癒やされるのか教えてほしい。

そんな気持ちでこの本を読みました。

目次

グッときたところベスト3

3位 二つの選択肢

不幸にして大切な人を失った時、私達には二つの選択肢が与えられることを覚えておいてください。
一つは喪失を乗り越え成長する道、もう一つは悲しみに押しつぶされ心を閉ざしてしまう道です。

家族を亡くしたあなたに 著:キャサリン・M・サンダーズ

夫が亡くなって、役所や銀行の手続きが終わった頃、身体が動かなくなりました。

まるで、身体にも頭にも鉛が入っているようでした。

すべてが億劫になり、仕事も休職し、家の中でただ横になっていました。

引きこもって2ヶ月経った頃、夫のことを考えていました。

その時に突然思ったのです。

「今の私の姿を夫に見せられない!」
「私が将来天国に行った時、夫に『頑張ったよ!』と言えるように生活しよう。」と。

カレンダーに大きく「夫に見られても恥ずかしくない生活をする」と書いて、お風呂に入り、部屋の換気をして、掃除もしました。

もちろん、今でも悲しくて仕方のない時もあります。

そんな時はアイマスクをして布団で寝るようにしています。

あのまま、悲しみを言い訳に毎日ダラダラしていたら、この本の言葉を借りれば、きっと悲しみに押しつぶされてしまったんだろうと思います。

2位 涙・カウンセリング

涙は鬱積された感情を健康的に発散させてくれます。

家族を亡くしたあなたに 著:キャサリン・M・サンダーズ

罪の意識の解消法としていちばんよいのは、信頼できる友人やカウンセラーと気持ちを分かち合うことです。

家族を亡くしたあなたに 著:キャサリン・M・サンダーズ

この本では死別による悲しみのプロセスを5つに分けています

①ショック
②喪失の認識
③引きこもり
④癒やし
⑤再生

著者は、②喪失の認識の時に泣くことと話すことを推奨しています。

ですが、時期にこだわらず、泣いたり話したりした方がいいと思います。

悲しみのプロセスは、順番通りに進むのではなく、戻ったり、停滞することがあるからです。

1位 人に寛容で愛情深くなる

自分に対して優しくなり、また愛情をもって自分をみられるようになると、それと同時に他人に対して前よりもっと寛容で愛情深くなります。

家族を亡くしたあなたに 著:キャサリン・M・サンダーズ

夫が亡くなった原因は、自分にあるのではないか…。

あの時あんな事を言わなければ、夫は今でも生きているんじゃないか…。

そんな事ばかり思って、今の私は、自分を責める気持ちでいっぱいです。

死別の悲しみは忙しすぎる私たちに、立ち止まり、人生に本当に何を求めているかを考えるチャンスを与えてくれます。

家族を亡くしたあなたに 著:キャサリン・M・サンダーズ

確かに、夫が亡くなった事で、私は立ち止まりました。

今はまだ、私が人生に何を求めているか、考える余裕はありません。

夫の死に向き合って、日々の生活を積み重ねていくうちに、「人生に本当に何を求めているか」答えが自ずと導かれるのかな、と思います。

どんな人にオススメなのか

オススメの人

著者はキャサリン・M・サンダーズというアメリカ人です。
日本語に翻訳されていますが、翻訳文に特有の癖があります。

例えば以下のような文章です。

死別の悲しみは感情的な側面や身体的な側面を持つと同時に、魂に関わる側面も持っていると私はかたく信じています。
悲しみのプロセスを理解するには、この三つの側面をすべて受け入れなければなりません。

家族を亡くしたあなたに 著:キャサリン・M・サンダーズ

なので、アメリカでの「悲しみの癒やし方」について知りたい方にオススメです。

オススメできない人

アメリカで最も信徒数が多いのがキリスト教です。
アメリカ人の60%以上の人がキリスト教信者だそうです。

例えばこの本でも、

たとえ悪いことが起こっても、それは神様が私たちに大切なことを教えて下さっているのだ。

家族を亡くしたあなたに 著:キャサリン・M・サンダーズ

と、キリスト教らしい表現が出てきます。

「宗教はちょっと…。」という方にはオススメできません。

まとめ

悲しみを癒やすには、「涙を流す」ことと「話す」ことが大切なのは、アメリカも一緒なんだと知ることができました。

当たり前ですが、即効薬などないんですね。

共に一日一日を乗り越えていきましょう。

目次・著者のプロフィール・本の詳細

目次

プロローグ 私の死別体験
第1章 死別の悲しみ
第2章 第1段階 <ショック>
第3章 第2段階<喪失の認識>
第4章 第3段階<引きこもり>
第5章 第4段階<癒やし>
第6章 第5段階<再生>
第7章 子供を亡くした親の悲しみ
第8章 配偶者の死…パートナーを失う
第9章 親の死…成人後に「孤児」になる
第10章 家族全体の悲しみ
第11章 別れの儀式の持つ意味
第12章 死別の悲しみを乗り越える

あなたの力になってくれる自助グループやサポート機関

解説 生きてきたように人は死んでいく 中下大樹

著者のプロフィール

キャサリン・M・サンダーズ:アメリカの臨床心理学者。
死別の悲しみについての研究・カウンセリング・教育では、30年以上のキャリアがある。
彼女自身、息子のジムを若くして失っている。

白根美保子:東京生まれ。
翻訳家。
訳書に「金持ち父さん 貧乏父さん」(ロバート・キヨサキ著 筑摩書房)など。

本の詳細

2012年9月10日 第一刷発行
2021年10月15日 第六刷発行

著者:キャサリン・M・サンダーズ
訳者:白根美保子
発行所:株式会社 筑摩書房

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この記事を書いた人

35歳で看護師を志して、36歳で看護学校に入学。
40歳で看護師になりました。
看護師歴約10年です。
看護学生時代にうつ病になり、約10年闘病しました。
病棟経験はほとんどありませんが、糖尿病クリニックで働きながら糖尿病療養指導士の資格習得を目指して勉強中。
2021年に夫が永眠し、グリーフケアの勉強も始めました。
茶トラくんと三毛猫ちゃんの兄妹(4歳)と一緒に暮らしています。

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