あなたは家族や友人など、身近な人を失ったことがありますか?
「ある。」と答えた方。
本当にお辛い経験をされましたね。
その悲しみは癒やされましたか?
私は2021年7月に、夫を亡くしました。
亡くなって間もない頃は、仕事の合間に役所や銀行の手続きなどがあり、忙しくしていました。
手続きが一段落した頃、体が鉛のように重くなり、頭にも鉛が入っているようで動けなくなりました。
食欲もなく、気付けば体重は3kg落ちていました。
仕事にも行けなくなりました。
「このままじゃダメだ。」と思った時に、1冊の本を手にしました。
この本のおかげで一歩踏み出せたので、どんな本なのかご紹介します。
グッときたところベスト3
1位 何度も話す
死別の悲しみを癒やすには、何度も話をすることから始まります
愛する人を失ったときあなたに起こること 著:松家かおり
役所や銀行の手続きが終わったのは、夫が亡くなって3ヶ月ほど経った頃でした。
ある朝、仕事に行くためにベッドから起き上がろうとしても、身体が鉛のように重くて起き上がれません。
頭にも鉛が入っているようで、何も考えられません。
分かったのは「この状態では仕事に行けない。」ということだけ。
やっとの思いで、職場に欠勤する旨を連絡しました。
「今までの疲れが出たのかな。」
「1〜2日休めば大丈夫だろう。」と思っていました。
でも、ダメでした。
そもそも眠れないし、食べれない。
お風呂に入ることすら面倒でした。
そんな時にこの本を読みました。
本には「死別後の悲しみを癒やすには、何度も話すことから始まります。」と書いてありました。
母や友人に「辛い気持ちを聞いてほしい。」と言えば聞いてくれたと思います。
でも私は、「心配をかけたくない。」という気持ちが大きくて、話しませんでした。
「立ち直った私」、「元気な私」を期待されているような気がしていたのかもしれません。
辛い気持ちを話さなかった理由がもう一つあります。
それは、
「夜になれば、帰ってくるんじゃないか。」
「明日になれば帰ってくるんじゃないか。」
「今は悪い夢を見ているだけ。」という気持ちがあったからです。
頭では、夫が亡くなったことは分かっていました。
でも、心がついてこないのです。
頭と心のギャップを埋めるには、この本にあるように、誰かに話したほうがいいんだろうと思い、臨床心理士さんのカウンセリングを受けることにしました。
2位 亡くなった人の願い
亡くなった方もあなたの幸せを願っているのではないでしょうか
愛する人を失ったときあなたに起こること 著:松家かおり
夫が亡くなってから、自分のことなど考えている余裕はありませんでした。
ただひたすら、毎日の仕事や家事、飼い猫の世話をするだけで精一杯でした。
今までの私の幸せは、夫と話し、笑っていること。
夫のいない今、それはもう叶いません。
夫は優しい人でした。
きっと、いえ絶対に、夫は私の幸せを願ってくれている。
「今の私の幸せって…?」
「私の幸せ」は正直に言うと、今でもよく分かりません。
でも私が悲しんでばかりいると、夫が悲しむような気がします。
だから、悲しくなった時はいつでも見れるように、夫が描いたイラストを家にいくつも飾りました。
イラストを見ても悲しい時は、夫が使っていたギターの練習をします。
ギターを弾けば夫も喜んでくれると思いますし、ジャカジャカ弾いているとモヤモヤも消えていきます。
そういう日々の積み重ねが、幸せに繋がるのかもしれませんね。
3位 亡くなった人も分かってくれている
あなたは、あなたなりに一生懸命やってきたことでしょう。
愛する人を失ったときあなたに起こること 著:松家かおり
あなたのことは、亡くなった人も分かってくれていたはずです。
あなたは一生懸命、努力したことに、自信と誇りをもっていいのです。
夫が亡くなった事で、「努力が足りなかったんだ」と自分を責める気持ちで心がいっぱいでした。
生前は夫の通院に付き添ったり、話も聞いたりしました。
決して100点満点ではないけれど、私なりに努力したと思います。
夫はそんな私に「ありがとう。」と言ってくれました。
到らない私を認めてくれたのです。
だから私も、私の努力を認めようと思います。
どんな人にオススメなのか
大切な方を亡くした経験のある方にオススメです。
日常生活や仕事を優先して、ご自分の心のケアを後回しにしていませんか?
後回しにしているうちに、グリーフ(死別による悲しみ)は心の奥深くへいってしまいます。
私も身体が悲鳴を上げて、初めて心のケアの重要性を知りました。
皆さんも身体の症状が出る前に、ぜひ心のケアをして下さい。
まとめ
この本を読んで、カウンセリングを受けました。
臨床心理士と1対1でのカウンセリングです。
辛い気持ちを思いっきり話した事や遠慮せず思いっきり泣いた事、「辛かったですね。よく頑張りましたね。」と労ってもらった事で、心が軽くなってきたように思います。
辛い気持ちを話すという機会はなかなかありません。
あなたが悲しみを一人で抱え込んでいるなら、ぜひカウンセリングを受けてみることをオススメします。
この本にはカウンセリング以外にも「あなたを癒やす7つのワーク」を紹介しています。
あなたの心が軽くなる一助になると思います。
あなたが癒やされ、笑顔と自信を取り戻せますように。
目次・著者プロフィール・本の詳細
本の目次
序章:死別の悲しみを癒やすグリーフケアとは何か?
第1章:愛する人を失ったときあなたに起こること〜7つの事例とアドバイス〜
第2章:あなたは誰を亡くしましたか?どんな亡くなり方をしましたか?〜それぞれの悲しみの特徴と注意点〜
第3章:死別の悲しみを相談する相手の選び方
第4章:死別後の過ごし方〜無理をしない。焦らない。妥協しない。〜
第5章:あなたはあなたらしく生きればいい!
第6章:グリーフと上手に付き合うために
第7章:あなたを癒やす7つのワーク
著書プロフィール
著者:松家かおり(グリーフカウンセラー)
1971年東京生まれ。
2007年(平成19年)カウンセリングルーム『青山フラワーキュア』を開設。
プリザーブドフラワーを使ったセラピーやカウンセリングを中心に活動。
2008年(平成20年)自ら死別体験をしたことで、グリーフカウンセリングに出会い、資格習得後、グリーフカウンセラーとして活動中。
カウンセリングルームでは個人を対象にしたカウンセリングやセラピーを中心に行っているが、講演会やワークショップ、ボランティアにも力を入れている。
ブログ、メルマガにてグリーフに関する役に立つ情報を随時配信中。
本の詳細
2018年1月15日 初版発行
2019年1月30日 電子版発行
著者:松家かおり
発行者:川内長成
発行書:株式会社 日貿出版社